独立調査
認定NPO法人 引退馬協会
1頭の馬を複数の里親で支えるフォスターペアレント制度を運営。筆者は引退馬協会の賛同会員です。この記事は個人の体験に基づいて書いています
公開: 2026年5月13日最終更新: 2026年5月13日
会費制寄付型月額: ¥0〜支援頭数: 58頭
概要
認定NPO法人 引退馬協会(RHA)は、引退した競走馬や繁殖馬の余生を支える団体です。1997年に「イグレット軽種馬フォスターペアレントの会」として設立され、2011年にNPO法人化、2014年に認定NPO法人となりました
中心となる仕組みは「フォスターペアレント制度」。1頭の馬を複数の会員で支える里親制度です。協会が所有する馬を「フォスターホース」と呼び、会費や寄付で繋養費用をまかないます
主な事業は4つあります。フォスターペアレント事業(馬の繋養)、引退馬ネット事業(馬を引き取る個人や団体のサポート)、馬と人のふれあい事業(見学・イベント)、再就職支援プログラム(引退馬の再調教と譲渡)。本部は千葉県香取市、北海道夕張郡長沼町にも事務所があります
認定NPO法人のため、寄付は税制優遇の対象です
参加方法と費用
会員種別は4つあります
フォスターペアレント(FP)会員は、特定のフォスターホースを直接支援する会員です。月額1,000円の協会会費に加え、馬ごとに設定された会費がかかります。馬によって口数に上限があり、満口の場合は別の馬を選ぶか空きを待つことになります。特定の馬を指定せず支援するFP会員もあります
一般会員は、協会の活動全体を支える正会員です。申請により社員資格(総会での議決権)を取得できます
後援会員は、会費が「寄付」として扱われる種別です。認定NPO法人への寄付として税制優遇の対象になります
賛同会員は、会費のかからない種別です。ボランティアやイベントへの参加資格があります
入会はWebフォームから申し込めます。郵送・FAXでの申し込みも可能です。FP会員・一般会員の場合、最初の2ヶ月分は振込、以降は口座引落しになります
届く情報
会員になると、2種類の定期的な報告を読むことができます
ひとつは「フォスターホースリポート」。月に1回発行され、フォスターホースの近況が写真付きで報告されます。馬の体調や日々の様子が書かれており、動画や馬を預かっている牧場のSNSへの案内もあります
もうひとつは「RHA通信」。3ヶ月に1回発行され、協会自体の活動が写真付きでまとめられています。会員向けイベントの報告、新しく受け入れた馬の紹介、亡くなった馬の情報、今後のイベント予定など
どちらにも、牧場への見学に関する情報や連絡先が記載されています
読んでいて感じるのは、その丁寧さです。保育園の連絡ノートのような——子供を預けている親が、先生から「今日はこんなことがありました」と受け取る連絡ノートのような温かみがあります。馬の些細な変化を、現場の人が自分の言葉で書いている。距離があっても馬の日常が見える仕組みになっています
注目すべきは、この情報が賛同会員(会費なし)でも閲覧できることです。有料会員だけに限定しない姿勢は、情報開示に対する協会の考え方を示しています
実際に参加してみて
「引退馬」で検索したとき、最初に目に入ったのが引退馬協会でした。その後、協会の代表である沼田恭子さんの著書『馬の命を守れ!』を読みました。どこまでも誠実に馬と向き合い、行動し続けている人だと知ったことが、参加の決め手になりました
入会手続きはWebフォームに必要事項を入力するだけでした。数分で完了してしまい、本当に登録できたのかと思ったほどです
最初にフォスターホースリポートを読んだとき、とにかく量が多くて驚きました。読み切るのが大変だった。しかし、それは裏を返せば、引退した馬たちの状況をここまで詳細に伝えているということです
自分は馬の業界にいる人間ではありません。牧場に頻繁に通える距離にも住んでいません。それでも、リポートの内容を読み、そこに載っている牧場のSNSアカウントやYouTubeを見たとき、画面の向こうに馬の日常があると感じました。会いに行けなくても、馬がどう過ごしているかを知ることはできる。その仕組みが、この協会にはあります
参加前に知っておきたいこと
FP会員として特定の馬を支援したい場合、馬ごとに会員の口数に上限があります。人気のある馬は満口になっていることがあり、その場合は別の馬を選ぶか、空きが出るまで待つことになります
牧場への見学は事前予約制です。訪問希望日の3日前までにメールで連絡が必要です。見学時の動画のLIVE配信や、YouTubeなどの動画共有サイトへの投稿は禁止されています
会費が3ヶ月以上未納の場合、会則に基づき賛同会員に移行します
そして、支援している馬がいなくなることがあります。フォスターホースリポートやRHA通信には、亡くなった馬の情報も掲載されます。支援を始めるということは、その馬の最後まで見届ける可能性に向き合うことでもあります
まとめ
引退馬協会は、以下のような人に向いている団体だと感じます
特定の馬を指名して応援したい人。離れた場所に住んでいて、現地に通えなくても支援に参加したい人。自分のお金がどう使われているかを定期的に確認したい人。引退馬の支援に初めて参加する人
賛同会員であれば会費はかかりません。まず情報を読んでみて、自分に合うと感じたら次の種別に進むこともできます
この記事は、特定の団体を推薦するものではありません。支援先の選択は、ご自身の判断で行ってください