馬の目と視野

馬の目と視野

ほぼ360度見渡せる目の仕組みと見え方

どんな行動?

馬の目は顔のほぼ真横についている。この目の位置のおかげで、馬の視野は約350度にもおよぶ。真後ろのごくわずかな範囲(約10度)だけが死角で、それ以外はほぼすべての方向を見ることができる。また、馬の瞳孔は横長の楕円形をしており、パノラマのように広い範囲を見渡すことができる構造になっている。

なぜやるの?

馬は草食動物であり、野生では肉食動物から逃げる必要があった。広い草原の中で、背後から近づいてくる敵をいち早く察知するために、目が顔の横につき、広い視野を獲得した。ただし、広い視野にはデメリットもある。視野の大部分は片目だけで見ている「単眼視」の範囲であり、距離感をつかむのが苦手。両目で見ている範囲は正面の約60〜75度だけで、この部分だけが立体的に距離を把握できる。 馬の色の見え方は人間とは異なる。人間は3種類の錐体細胞で三色を見ているが、馬は2種類しかないため、赤色の判別が難しいとされている。黄色や青色は認識できるが、赤やオレンジはグレーっぽく見えていると考えられている。 また、馬の目の網膜の後ろにはタペタム(輝板)という反射板のような構造があり、少ない光でも増幅して物を見ることができる。暗い場所でも視力が保たれるのはこの仕組みのおかげ。

引退馬の日常では

牧場で馬に近づくときは、馬の視野を意識することが大切。真後ろから近づくと死角に入ってしまい、馬が驚いて蹴る危険がある。斜め前から声をかけながらゆっくり近づくのが安全な接し方とされている。草を食べている馬が急に頭を上げてどこかを見つめるのは、視野の端に何か動くものが映った可能性がある。

参考文献

  • EQUIA「馬の視野と角度にビックリ!ほぼ全部見える」
  • HORSE FAIR「視野が広い馬の目。どこまで見える?」
  • 馬を知ろう!「馬の眼について」